阿南町新野 道の駅信州新野千石平㈱藏
移動購買車運営事業の取り組み
昨年は移動購買車両の構造を見てきましたが、今回は私が社会文教委員の皆さんにお願いし、運営の状況を金田社長から伺ってきました。
27.02.08
1.視察研修の動機
当町では、重点道の駅「田切の里」が移動購買事業を始めたが、顧客確保の課題や従業員の退職などにより現在休業状態となっています。
当町は、近隣自治体の中でも高齢化率が高く、今後ますます需要が高まるであろう移動購買車運行は、高齢者障がい者の在宅支援の観点からも欠かすことのできない事業です。
そこで、当委員会では、福祉の視点で事業先進地の阿南町の民間事業者を訪ね、運営状況と行政のかかわり方を研修してきました。
2.視察先(対応者)
阿南町新野 ㈱藏 社長 金田三千男氏
3.事業を取り巻く環境
阿南町の人口 4,884人 世帯数 2,117世帯
標高315m~1664mに56の集落が点在。
高齢化率は、町平均で41% 4地区で最も高い地区は51% 低い地区でも35%と高齢化の進んだ町です。
4.事業をはじめたきっかけ
もともと公共交通網が乏しく高齢化による買い物弱が多いことから、スーパーを経営する金田社長は移動購買車の必要性を感じていたそうです。
そこに、阿智高校に通う女子高校生から、卒業後に移動購買車事業に携わりたいとの申し出があり、彼女の卒業をまって事業をはじめました。
5.設備と方法
軽トラックを改装した車で、経営するスーパーで仕込んだ商品を積み込み、戸別訪問販売。助手席にはレジを置くため、従業者は1人1台担当。
経験と交流を重ねる中で、どこの家ではそろそろ何が不足しているか予測しながらの販売が行えるようになりました。
運行は、商品選別積み込み後A10:30発~P4:00頃まで。その後商品の整理と精算を行います。
1日の訪問件数は場所により異なりますが、20~40戸、10月の売上表から一戸当たり2千円以下の販売額と思われます。
売れ筋商品は、総菜など調理不要の商品。
扱いの難しい商品は、消費期限の短いもの。刺身など。
従業員の給与等 18万円ほどだそうです。
6.販路の拡大
はじめは、全戸を訪問し、週一の定期訪問を申し出て、断られない限り定期訪問を続けます。
現在県内では、阿南町、泰阜村・売木村・天竜村に加え、愛知県にも入っています。
7.経営の方針と状況
戸別訪問・一人ひとりとの会話を大切にしている。お年寄りと従業員は、家族のような関係を構築しています。
戸別訪問により、安否の確認も兼ねています。
※エピソード ある日買い物をした高齢者が家に入る時に転んでけがをした。『あの時に手を引いて家までお連れすればよかった。』そう担当者は反省し、ずいぶん落ち込んでいたそうです。
社長は、そのような思いで一人ひとりと接する姿勢が大切と、従業員を評価していました。
経営状況は、商品の利益率は2割。1日1台6万円の販売が採算ラインで、現在150万円ほどの赤字。
顧客からは、生きていけなくなるから事業をやめないでほしいとの要望が強く、人情的にも経営が苦しくても継続をしなければならないと考えているそうです。
8.社長が、我々議会や行政に望むこと
近年、地方創生や少子高齢化により、国や大学では移動購買事業に着目しており、国土交通省や大学への講演依頼が増えています。
中山間地の移動購買事業を収益としてとらえることは困難であり、高齢者障がい者などの在宅支援や安否確認など福祉の視点、また、訪問時に、肥料や野菜苗を配達することで高齢者世帯が管理する農地の保全など農政の視点からも行政の補助制度があってよいと思われます。訪問1戸一回何円の補助制度創設が理想と思います。そのような制度創設に向けて講演活動に取り組むし、是非議会でもそのような取り組みを願います。
9.その他 道の駅の運営についてもお聞きしてました。
協力会員700名 会費年間1000円 会員割引制度創設。県を越えてのイベント参加により、町や特産品の情報発信に努め、ほぼ毎月のイベントを企画し、イベント年間カレンダーを作成配布するなど、その経営手腕は抜きんでています。
また、目先の利益ではなく、人や地域を大切に思う心を事業の基本に据えており、そのことで関係構築が深まり・広まり、そして収益に結びついていることを感じてきました。
当町の移動購買事業、道の駅事業に大いに参考になるものと思いました。

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